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やっとわかったS.C.P.

 おそらく富士山でマッチングさせたかったのでしょう、富士山の私製絵はがきに富士鹿4銭と風景2銭を貼ったバハマあてです。今も90年前の昔も郵趣家の考えることは一緒ですね。なお、受取人はパナマに引っ越したため転送されたようですがバハマのナッソーの中継印 23 JA 30はかろうじて判読できます。

 せっかく富士山でマッチングさせているものの、消印は差出人の地元、大阪の天王寺局 昭4年12月30日。どうせ受取人は日本語は読めないだろうからとポスト投函したものでしょう、絵柄面に同局の標語入り和文機械印が押されています。富士山関係局消印でなかったことで手が届くお値段で売られていたものと思います。
 しかし、帰宅してよくよく見直しましたら重要な記述があることに気がつきまして。これまでも数多の日本発絵はがきにS.C.P.+数字という記号が書かれているのを目にしていました。しかし、それが一体何を意味するのかはまったくわかりませんでしたが、本便にSouth Sea and Colonial Philatelic Exchangeと明記してあったことで同会の会員番号と判明しました。おそらく今のポスクロのような、切手の相互交換会のような趣味団体だったのではないかと思われます。
 文面によると差出人はスコットカタログの1930年版での等価交換を希望しているところから、当時としては中堅以上のゼネラルコレクターだったものとも推定されます。そのお名前はキタ・ケイジさん。
 今しがた天野安治大先生の「日本郵趣史」を読み直しましたけれど、S.C.P.のこともキタさんのことも残念ながら記述は見当たりませんでした。それでもS.C.P.が何なのかようやくわかりましたし、国際切手交換・文通をしていればこそ絵柄面への切手貼りという作法を知っていたことも納得できます。

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