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阿知須「いぐらの館」(旧中川家住宅)

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2016063001 かつて鹿児島県に住んでいた頃、旧市来町(現いちき串木野市)の郷土資料を読んでいた時、周防国阿知須浦の某廻船商が、ご禁制の熊の胆(くまのい)を密かに持ち出そうとしたので所払いに処したとの記述を見つけて大変驚きました。藩政時代には既にはるか薩摩国まで海運業の商域が広がっていたのかと。
 今回取り上げます旧中川家もまた同じく廻船業で財を成した商家です。海鼠壁(なまこかべ)も鮮やかな建物は居蔵造りと呼ばれ、それが現名称へと引き継がれています。

 当HYPER Philatelistブログでもたびたびご登場願っている日本占領軍郵便研究の第一人者にして郷土史研究家の中川進さん、そのご本家にあたるのがまさにこの旧中川家住宅こと現いぐらの館です。世間は狭いものです。
 公共への寄贈といっても話はそう簡単ではありません。受け入れる側がウンと言わなければ話はまとまりません。平成の大合併の少し前、中川さんご自身が旧阿知須町時代に寄贈にあたっての実務を取り仕切られたと直接伺っていました。ですから、本来ならもっと早いうちに伺っておかねばならない場所なのです。
 現在は郷土資料展示や市民イベント会場としても活用されていて、訪問日当日も絵画作品の個展が開催されていました。
 記念スタンプの類はありませんが、ポストカードが4種無料配布されています。許可を得て全種いただき、絵柄に合わせて最寄り局である阿知須郵便局の風景印と和文印を押してきました。特に下の一枚は風景印とのアングルが一緒でベストマッチングだと思います。

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 残り3種のポストカードもお示ししておきます。

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[阿知須郵便局の風景印について]
 2013年(平25)4月1日に現行図案に改正されました。これは同年7-8月の第16回日本ジャンボリー大会、さらには2015年(平27)7-8月の第23回世界スカウトジャンボリー大会に合わせての図案改正です。それにより、両大会の会場になったきららドームが初めて風景印図案になりました。
 これにいぐらの館、地名の由来となったアジガモ(トモエガモ)、そして街おこしの一環で盛んに作られている「ひなもん」を描いています。
 実はひなもんは阿知須の伝統行事ではありません。もともとは山口市名田島向山地区にある岩屋山地蔵院、そこのご住職の故郷柳川(福岡県)の伝統飾りである「さげもん」が伝わったものです。それを見て感動した阿知須の方々がここ10年くらいの間に始められました。全国的に見ても風景印に取り入れられた中でもっとも歴史が短い地域行事と言えるのではないでしょうか。
 なぜそんなことを知っているかというと、その地蔵院さんこそが我が椙山家の菩提寺だからです。やっぱり世間は狭いものです。

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