明日6月1日からはがき料金が52円から62円へと10円値上げされます。そのためだけに新しく62円切手やはがきが去る5月15日に一斉に発行されました。忙しかったのでしょうか、往復はがきでは「郵便往復はがき」と表記すべきところ「往復」の2文字が抜けていたというケアレスミスまで発生してしまいました。
さらに明日から52円普通切手の販売は中止です。売れ残りの回収と煮潰してのリサイクル費用だけでいったい何千万円になるのでしょうか。
そこでアメリカ、カナダ、イギリス、フィンランド、シンガポールをはじめ、数多くの国や地域が採用している”永久保証切手"を発行できるように日本も法改正をと思います。それだと新切手の発行も旧切手の回収も必要ないからです。
その一例として、今年アメリカが発行したはがき料金用の永久保証切手をご覧に入れます。印面には現行料金の34cという料額はなく単にPOSTCARDとのみ表記されています。これははがきを1枚差し出す料金ではなく権利があることを示しています。仮に郵便料金が値上がりしても差額分の切手を加貼する必要はありません。なぜなら”権利”を買ったからです。
例えばの話、日本で52円料金時代に永久保証切手を1枚あたり52円で販売したとします。これが明日から値上がりしてもこのまま使えるので、買いだめしていたお客さんは10円トクするわけです。もちろん、料金値下げがあったら逆に損しますけれど、あくまでもはがきを差し出す権利を買っただけですから払い戻しはありません。
慣れていないから難しそうに思えますが、本来、郵便切手は有価証券とはいえ郵便物を差し出す以外の用途はないので、むしろ金額より権利を示した方が合理的です。そうでなくては世界中にこれほどまでに永久保証切手が広がるわけがありません。
アメリカでは永久保証切手のことをフォーエバー・スタンプ(Forever Stamps)と呼び、2007年から実用化されています。今ではアメリカの記念切手はすべて永久保証切手に切り替わりました。
アメリカから最近届いた郵便があればよくご覧ください。古い切手以外は切手に額面数字が入っていません。