鹿児島在住の5年間、隣町の串木野市(現いちき串木野市)に住んでいたのに、なぜか沈壽官窯には行ったことがありませんでした。鹿児島を離れて10余年、今さらのように訪問してきました。仕事でさんざん美山には行っていたのに不思議なものです。
▶︎沈壽官窯
一緒に行った夷白實さんが、こっちこっちと呼ぶので何だろうと思いましたら十四代の直筆サイン入り「故郷忘じがたく候」があるとのこと。売店のお姉さんも「ほんのちょっと前に(サイン本を持って)来られたんですよ」と笑顔で仰る。見覚えのある十四代の花押がそこにはありました。
1998年(平10)10月1日発行のふるさと切手「薩摩焼400年祭」の時、初日指定局になった下伊集院局さんで押印処理のお手伝いをしました。その折、局長さんに特にお願いして初日カバーに十四代の直筆サインをいただきました。私の直筆サイン入りカバーコレクションの中でも至宝クラスの一品です。ですから花押を見た瞬間にちょっぴり血圧が上がりました(笑)。
さらに昨年の第29回美山窯元祭りのポストカード2種も買わせていただきました。今年も10月31日〜11月3日までの4日間にわたって第30回が開催されます。いい按配に中央部分に余白があるので、郵頼で風景印を押してもらおうかなと考えています。
今回は焼酎飲み用の黒薩摩を購入するのが主目的でした。地元山口県の萩焼はもちろん好きで、それは素朴な淡い土色の器が特徴ですから、薩摩焼はその逆の黒物が好みです。日用使いの楽しみを目当てに、胴の部分がくびれたこのデザインが気に入りました。焼酎好きならピンときたと思います。最初にくびれの部分までお湯を注ぎ、それから自分の好みの濃度になるように焼酎を注いでくださいという意味なんですね。
もちろん領収証もいただきました。格式のあるところはやはりちゃんとした体裁の領収証を用意されているものです。もちろんこれも大事なコレクションとなりました。