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私製くじ付き年賀状

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 実家の古はがきの中から掘り出しました。防府市の方には懐かしいことでしょう、かつてのシャンピアホテル防府(今のアパホテル山口防府)からの営業用の年賀状です。お年玉付き官製年賀はがきの懸賞とは別にホテル独自のくじが付いています。私はこの私製くじにも注目しています。

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 昭和24年(1949)12月1日に発行された、日本郵便初のお年玉付き官製年賀はがきは好評を得ました。戦後の物不足の時代に庶民の夢がそこには投影されています。厳しい法規制もあったのですが、きわどく回避しながら昭和30年代から50年代にかけて多種多様なものが見られます。当時の一流企業も盛んに発行していました。私が所持しているものでは第一生命、日立、東芝、ブラザー、ナショナル、さらには日本郵便友の会(セイコー、パイオニア、JCB等とのタイアップ)などがあります。くじ部のデザインが明らかに官製年賀はがきのそれを模していることも一時問題になったことがありました。いずれ法規制との関連性をきちんとまとめたいものだと考えています。

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 興味深いのはやはり昭和30年代以前ですね。当時の憧れの電化製品などが並んでいて、まるでタイムカプセルのようです。
 三洋電機さんの私製くじはとくに秀逸ですね。わが山口県は下関市出身の木暮実千代さんを登用したサンヨー夫人をご記憶の方もいらっしゃることでしょう。二等賞品の手回し絞り機付きの洗濯機、三等のトランジスタラジオ、四等の電気釜などいずれも懐かしいものばかりです。
 お気に入りは昭和28年8月の消印が押された福井県のだるま屋さんのものです。これのみ年賀状ではなく、創業25周年記念で行われたお買い物代金の払い戻し(還元)です。一等の全額返金12名から五等の一割返金600名まで合計1,116名もの当選者数です。だるま屋さんは地場発祥の百貨店で、後継会社の西武福井店が今も存続しています。
 私製くじに関心を寄せている人もまずいらっしゃらないでしょう。昭和20〜30年代物が特に好きです。ご不要の方はぜひ私にお恵みください。

▶︎参考:西武福井店


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