郵便学者の内藤陽介さんから新刊案内が届きましたのでご紹介します(椙山)
★★★★★★★★★★ 郵便学者・内藤陽介の最新刊 ★★★★★★★★★★★
『蘭印戦跡紀行』
日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、
そんな風に説明してくれた。(本文より)
南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。
彩流社(本体2500円+税) 好評発売中
版元サイト http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-1910-1.html
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平素は郵便学者・内藤陽介の活動にさまざまなご支援・ご協力を賜り、誠にありがとうございます。
さて、このたび、8月17日付で彩流社より切手紀行シリーズ第6巻として、拙著『蘭印戦跡紀行:インドネシアに「日本」を見に行く』を上梓いたしましたので、刊行のご挨拶を申し上げます。
切手紀行シリーズは、切手や絵葉書を手掛かりに、世界各地を実際に歩いて内藤が見聞し、考えたことをまとめる新しいタイプの紀行書で、切手と歴史と旅を組み合わせた漫遊記ならぬ漫郵記の本です。 シリーズ6作目の『蘭印戦跡紀行』は雑誌『キュリオマガジン』2013年3月号から同8月号まで、月1回のペースで連載した「蘭印戦跡めぐり」をベースに、大幅に加筆して制作しました。
昨今、中国や韓国との「歴史認識」の齟齬が問題となっております。もちろん、異民族による支配・占領の体験は誰にとっても愉快なことであろうはずはないのですが、東南アジア諸国の中には、日本軍による占領の体験を糧に自ら独立を勝ち取った国々も少なくありません。今回の主題となっているインドネシアはまさにそうした国の典型であり、現在なお、日本の占領時代を懐かしむ老人たちも少なくありません。そうした彼らの日本に対する視線を具体的に知ろうとすることは、ともすると中国・韓国からの視点一辺倒になりがちな「日本を見るアジアの目」を相対化するうえで重要なことなのではないかと思います。
あわせて、本書は、かつての蘭印(オランダ領東インド)と呼ばれていた時代から、独立後現在にいたるまでのインドネシアの状況や歴史を示す絵葉書や切手などの図版を、オールカラーでご紹介したヴィジュアル通史としてもご利用いただけるような構成になっており、 具体的には
・「空の神兵」の舞台となったパレンバンの現状は?
・古都ジョグジャカルタの中心部に登場した巨大な鳥居の意味は?
・スマトラ沖地震で大きな被害を受けたアチェの人々の親日感情の理由は?
・ロンボク島(バリ島の東隣)の老婆が褒める「日本の兵隊さんの良い仕事」とは?
・インドネシア独立の英雄の銅像が市ヶ谷の防衛省の敷地に立っている理由は?
といった話題も含まれています。
オールカラーで、自分でいうのも変ですが、かなり綺麗に仕上がっていると思いますので、今後、書店の店頭などで実物をご覧になりましたら、ぜひ、お手にとってご覧いただけると幸いです。
なお、本書をご自身の関係するメディアで取り上げたい、または、取り上げることを検討したいという方は、ご連絡いただければ資料をお送りいたします。また、本件についての、ご不明の点などにつきましては、下記連絡先(内藤)まで何なりとお問合せください。
以上、不躾ながら、取り急ぎ用件のみにて失礼いたします。
時節柄、ご慈愛ください。
内藤陽介拝 ブログ:http://yosukenaito.blog40.fc2.com/