茶色く変色した二級品の官白の中から掘り出しました。倉吉郵便局(鳥取県)の二十世紀梨の外形をした変形小型印です。平成の今でこそ規制緩和されたお陰でもっとアクティブな変形小型印は他にもたくさんあります。しかし、日付の昭和41年当時は直径32ミリの円形であることが鉄則でした。今のように変形が認められた最初は図版右、平成7年(1995)8月1日発行のふるさと切手「ケヤキ並木(宮城県)」の仙台中央局の小型印です。
facebookにアップロードしましたところ、郵便局に印顆が配給になった後で外円周の一部を削ったのではないかという仮説が出されました。もともと左図のグレー部分があったのを現場判断で削除したというものです。しかし、この当時はカッターナイフのような先端が細い刃物がまだまだ普及してはいませんでした。自分が小学校3年生だった昭和44年頃まではカミソリ刃の工作刀や肥後守ばかりでしたから、ここまで精密な作業は素人には難しいように思います。印影をじっくり観察しても後加工した印象はありません。最終的に告示図と照合してみないといけませんね。
「倉吉郵便局新築落成記念切手展」小型印、昭和41年3月30日。ぜひ覚えておきましょう。
幸いにも複数枚掘り出しましたので倉吉局の官白、仙台中央局のFDCとセットにして次回の第25回ファンタスティック・オークションに提供することにします。お楽しみに!。