12月なのでかっこいいクリスマス切手をご紹介します。地中海に浮かぶミニ国家マルタが1972年に発行したクリスマス切手3種です。
3種すべてが天使を描いており、その頭部は伝統的な神話世界のそれではありませんね。1972年(昭47)当時に流行っていたファッション・デザインのようなタッチのイラストレーションです。ヨーロッパ的な抑えた色合いにモダンな女性の表情が印象的です。デザイン関係の方なら数字の書体にも当時のテイストがあるなと感じ取られたことと思います。
今とは違って当時の郵便切手に対する考え方は厳格なものでありました。国家が発行する有価証券のひとつであり、その公共性の高さから流行を追うようなデザインは意図的に避けられていました。軽薄さを嫌っていたのですね。それは日本でも同じで、サイケだのグループサウンズだのといった図案でのリアルタイム発行はありません。
それがどうしたわけか、翌1973年のクリスマス切手も同じイラストレーターの手によると思われる、時代の流行を反映したかのような図案です。うっかりするとクリスマス切手とわからないほどです。今の目から見てもじゅうぶんかっこいいとは思われませんか。
幸いにも40年を経た21世紀の現在においても300円ほどで入手可能な小型シートです。おススメです。
(追記)
2番切手の天使が手にしているのはタンバリンのようです。音楽切手コレクターさんにも当然おススメいたします。