世界は広いものでかつてベルギーには表題のような制度がありました。切手の場合はタブに、ステーショナリーの場合は料額印面の下に「日曜配達せず」の文言がフランス語とベルギー語で印刷してありました。このまま差し出した場合は日曜日には配達されませんでした。日曜日には人がいなくなる会社の事務所宛などに利用されました。逆に表示部分をペンで抹消すると日曜日でも配達されました。
必ずこの表示があるのでそれ自体は決して珍しいものではありません。しかし、実際に日曜配達を指定した例、つまり表示抹消例は気をつけていないと見逃してしまいます。事情を知らないとキズ物と誤解する向きもありましょう。左の郵便書簡はそうして拾った日曜配達例です。他の使用例と変わらぬお値段でしれっと売られていました。ルーヴェン駅郵便局1900年7月7日の消印があります。調べましたら土曜日でした。時間帯が22-23時の深夜ですし、よほど火急な用事があったのでしょうね。裏面には翌8日の日曜日、3-4時間帯のブリュッセル局の到着印が押されています。
さらにもう一通、下図をJAPEX2013で入手しました。切手をちぎる位置を間違えたものかラベルが上下についています。後で困ったんじゃないかなあ?(笑)。もっとも宛先はベルリンなので日曜配達ウンヌンは外国ですから適用対象外。差し出しはブリュッセル局で1895年1月23日で水曜日。んー、日曜配達はまあどっちでも関係ないっぽいですね。
世界各国の郵便事業は、事業収支の面から戸別配達をやめて集合ポストへの一括配達に切り替えようとしているとのニュースをちょいちょい聞いています。このラベル方式はいくらなんでもアナログすぎて面倒ではありますが、制度としては現在も何かの参考になるのではないかと思います。